【映画感想】なぜ僕は10年前にプレイした『天気の子』を忘れてしまっていたのか

さゆっとです。

 

タイトルの傾向を変えていこうかなあと思う今日この頃です。

折角書いたんだもん、見てもらいたいじゃん?

見てもらえるような試行を今さらやる的なそういうやつです。

 

 

ともかく、『天気の子』の感想です。

とんでもねえ映画でした。

 

いつものようにネタバレあり。

まだ見てない人はさっさと見てきてくれ。

見ない選択肢はない。

作品情報

天気の子
天気の子

これは、僕と彼女だけが知っている、世界の秘密についての物語

新作『天気の子』は、天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄される少年と少女が自らの生き方を「選択」するストーリー。
東京にやってきた家出少年・帆高が出会った、不思議な力を持つ少女・陽菜。ふたりの恋の物語は、美しく、切なく、新たな時代を迎えるあらゆる世代、そして全世界へのメッセージとして描かれる。
声の出演として、主人公・帆高に醍醐虎汰朗、ヒロイン・陽菜に森七菜が決定。2000人を超えるオーディションの中から選ばれた二人の声に大きな注目が集まる。更には、本田翼、倍賞千恵子、小栗旬ら、まさに豪華キャスティングが実現。
そして、主題歌「愛にできることはまだあるかい」を始め、劇中全ての音楽を担当するのはRADWIMPS。今作での新たなチャレンジとして、心の機微を神秘的に歌い上げるアーティスト・三浦透子をボーカルに迎え、複数の楽曲を制作。共に紡がれた、その“詩”は、新海ワールドに、より大きな感動をもたらした。

2019年夏、世界はアニメーション映画の新たな境地を目撃する。

公式HPより引用

あらすじ

「あの光の中に、行ってみたかった」
高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。
しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、
怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。
彼のこれからを示唆するかのように、連日降り続ける雨。
そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は一人の少女に出会う。
ある事情を抱え、弟とふたりで明るくたくましく暮らすその少女・陽菜。
彼女には、不思議な能力があった。

公式HPより引用

なんだかんだ新海作品は好きなので、見るではありました。

ネタバレ踏まないうちに見に行ってよかったという思いと、ネタバレじゃない感想も目に入れなければよかったというどっちもがあります。

 

多分もう数回見ます。

感想

素晴らしい映画でした。

普通の人が見ても素晴らしい映画だったんですけど、僕みたいなキモオタにクリティカルな映画でした。

 

『君の名は。』や、僕の好きな新海作品である『言の葉の庭』ではボロボロに泣いたんですが、そうはなりませんでした。

随所の描写で涙が出た、という感じです。

 

 

まず、映像美について、これは今さら僕が言わなくてもいいでしょうか。

今回も素晴らしかったです。

 

屋上でぐるっと一望するシーンで、息を飲みました。

あそこはすごい震えた。

あれで一気に世界に引き込まれました。

 

そして、花火のシーン。

もしかしたら、声が漏れていたかもしれません。

嘘みたいな写実でありえないアングルから見せられる花火は、もう感動以外言葉がありません。

 

東京の街に馴染みが薄い僕でもリアリティに圧倒されてしまうのに、そこに住んでる人は頭がおかしくなるだろうと思える、徹底された描写でした。

僕にとって新海作品の好きなところは、リアリティ超えた実在性です。

陽菜の裁縫道具入れが白い恋人の缶カンだったところが、小物の描写では一番好きで、そういうところ。

 

それ故、人間達だけキャラクターだからアンバランスな世界で、明確に僕の生きている世界と違ってしまうんですよ。

キャラクターをリアルにしないところが、アニメーションとしてのプライドみたいなものを感じさせられて、好きなんでしょうね。

 

そこが『名探偵ピカチュウ』視聴後の憂鬱と、全く異なる感情だと思いました。

 

 

声優さんの演技も良かったです。

特に醍醐虎汰朗君、化けモンじゃねーか。

ハマってたというか、帆高は他の人がもうあり得ないです。

 

 

で、満を持して、内容の感想をお話させてください。

 

この映画を見るまで、どうしてか忘れていたんですが、僕は原作の『天気の子』を10年前プレイしてたんです。

Twitterで目にしてしまったそういう感想を見て、まーーーたオタクは自分の持ってる浅ッさい尺度でしかものの感想を言えない、とキレそうになりましたが。

これは、真でした。

 

 

ホテルでの帆高の応答は、おそらくそう答えるしかなくて、選択肢すら存在しなかったんです。

だから、帆高には答えさせず、誰もが納得できるハッピーエンドを迎えるルートがあったのにもかかわらず、あえてノーマルのルートに進ませた。

僕が新海誠を許せないのは、この映画の結末を見た上での二週目以降でしかトゥルーエンドに進めない映画であるというところです。

 

なんつう映画だ。

なんて苦しくて、面白い映画なのだろうか。

こんな映画みせられて、僕は嫉妬に狂いそうです。

やる気も能力もなく、ただ消費してつまらない評価をするだけのゴミ焔燃である我々キモオタ達を、真っ向から叩き潰して、納得させて、満足させてくるんですよ。

悔しくて悔しくて仕方がない。

 

なにより、これより素晴らしい『天気の子』の劇場版は存在しないのです。

 

 

僕がプレイした『天気の子』トゥルーを思い出すことは叶わない。

新海誠は、10年前にプレイした記憶を呼び覚ましてくれた代わりに、トゥルーエンドを封印してしまったのです。

 

「世界は最初から狂っている」というセリフが、新海誠だと思いました。

ポストエヴァ症候群とその患者に対する皮肉が感じられて、この映画を『セカイ系』の型に収めようとする視聴者への反論でもあるのかな、と感じます。

ま、この辺はアニメ史に明るいわけじゃないから、好き勝手思ってるだけだけどね。

 

 

最後に帆高と陽菜がまた出会えているし、他のキャラクターとの関係も良好だし、新海作品で最もハッピーな終わり方と言っても差し支えなさそうですよね。

そういう意味では万人受け、大衆受けがする映画をまた作ってきて、すっげえなと思います。

 

爽やかなボーイ・ミーツ・ガールで、お互いがお互いを想って行動して、世界はどうなったっていい、なんて王道も王道のラブストーリーです。

この先の展開が予測できるポイントもいくつかあったりして、それって普通多すぎると飽きてしまうんですね。

 

生き生きとしたキャラクターが、それを陳腐にさせない。

上手すぎる、面白すぎる。

まとめ

葉鍵世代キモオタクは、逆張りしていないでさっさと見ろ。

『天気の子』を思い出せ。

 

そしてアマプラで新海作品を全部見ろ。

あとがき

最近はいい作品を見ることができていて、非常に満足度が高いです。

やっぱ僕はアニメとゲームが大好きなんだな。

ちょっと忘れてたかもしれないね。

 

早く、もっと趣味に費やせられるようになりたいです。

 

 

以上。